F1参戦の引き金になったのは、1988年にブリヂストンがアメリカのファイアストン社を買収し、1995年からインディ500に代表されるインディシリーズにファイアストンブランドとして参戦したことです。ファイアストンがインディに復帰して、ライバルのグッドイヤーを倒し、勝ちました。この勝利がファイアストンの社内やディーラーたちの士気を一気に上げることになります。ファイアストンはアメリカ人にとって、「自分たちのブランド」という意識が根強く、ファイアストンの勝利は、「ファイアストンの完全復活」と受け止められました。
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再び人気が高まり、ファイアストンをそれまで使っていなかったゼネラルモーターズやフォードも、ファイアストンのタイヤをはくことになりました。レースで勝利することは、タイヤの知名度を上げ、結果として売り上げアップにもつながるという好例でした。それでブリヂストンはF1参戦の道が開かれたのです。ファイアストン買収当時のブリヂストンはヨーロッパではまだまだ自動車メーカーの新車装着も少なく、一般的な知名度も低かったため、ブリヂストンのタイヤを販売してくれる販売店も少ないという状況でした。私もF2でのレース経験を積んでいくうちに、自動車レースの最高峰のF1への参戦を熱望するようになっていました。インディ500で成功を納め、アメリカでのブリヂストンのマーケットを拡大したという成功体験をもっていた当時の社長が、「ヨーロッパの基盤を強固にする」という戦略のもと、F1を通じて当社の技術力を自動車メーカーにも認識してもらい、一般的な認知度も高めるために、F1参戦が決定したのです。それは私にとってまさに「ドリームズ・カム・トウルー」の瞬間でした。
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