生産によって「新たに」生み出されたもののことです。生産活動の成果をとらえるのに、GNPという量を考えるというやり方があることは、前項で説明しました。GNPとは、1年間に国民が生産したものを、中間生産物の重複計算をおかさないようにして、とらえたものです。それは、1年間に国民が「新たに」生産したものと同じではない。重複計算なしに生産量、生産額をとらえたとしても、それだけでは「新たに」生産されたものをとらえたことにはなりません。それはなぜか。生産のためには、機械や設備を使います。使った分だけ、それらは消耗する。その消耗分は埋め合わせておかなければ、生産をつづけることができなくなります。そこで、生産されたもののなかから消耗分の補充に当てるものを出さなくてはなりません。このように、機械や設備の消耗分に充当するものを減価償却と言います。
従来の社会主義の原則にこだわると、個人による財産の所有は否定され、モノを生み出す手段はすべて国家や集団による所有でなければなりません。しかし、農業などの場合、集団による所有や生産だけでは、個々の人がいくらがんばって働いても、その人が他の人以上に物質的にむくわれるわけではありませんから、次第に労働意欲がなくなってきます。人道的な民主的社会主義の実現を掲げるゴルバチョフ政権は、共産党の一党独裁を放棄するとともに、私的な所有もある程度認めるかたちに所有制度を変えようとしています。ソ連の改革路線は、革命以来の原則とは反対のやり方を取り入れようとしているだけに、現場にかなりの戸惑いがあり、これまでの計画経済システムの中で権力や利権を持っていた層からの反発も少なくありません。経済的成果が現れないうちに民族紛争など政治的混乱が拡大、改革は正念場を迎えています。
多チャンネル(都市型)CATVの出現で、日本の放送体制がドラスティックに変わった。つまりハードとソフトの実質的分離によって番組ソフトの提供者としての番組供給会社が多数誕生し、ハードとしての多チャンネル(都市型)CATVはもちろん、300チャンネルを超えるCSデジタル放送を、ソフトの側から支える構造ができたからだ。新放送時代はコンテンツ(番組内容)次第ということになったのだが…。あるテレビ番組制作会社が全国の制作プロダクションとネットワークをもち、地上波放送ではできない新しいソフトづくりを目指し、スカイパーフェクTVなどに複数のチャンネルを開設し話題になった。しかし視聴料や広告収入の伸び悩みで、結局は絹業者社長の更迭。コンテンツビジネスの難しさを露呈させた。ならば、「キラー・コンテンツとよばれる圧倒的な魅力をもつ番組を獲得して視聴者を吸引すれば」と考えたのが、メディアエマードック。マードックは、98年度からの高校から社会人にいたるラグビーの放映権を皮切りに、Jリーグの争奪、あげくにはプロ野球の巨人戦や大相撲まで、破格の権利料で囲い込もうという戦略に打って出た。しかし日本の特殊事情をかえりみない強引なやり方は、JリーグのCS放送権料を前年の10倍に引きあげる経済効果(?)をもたらしただけの空騒ぎにおわった。
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